いやいや続けている仕事がある人へ

禅的生活


【概要】続けることが一番難しい。続いているのだから、そのことが向いている。続けていることでしか学べないものを大切に。

■ 続けることが一番難しい

「始めることはできるのよね」
僕もそうなんです。始めることはできる。
ランニング、筋トレ、ヨガといった体のことに始まって、
炊事、洗濯、家事おやじ、生活のこと(嫁にまかせっきり)、
瞑想、読経、空気の入れ換え、掃除といった心のことまで。
全部、「よし、これから毎日やるぞ!」と意気込んで始めることはできます。
そして始めることよりもっと簡単なこと。
それがやめること。
自分からやろうなんていうものは、中毒症状が出ているものとは大違い。
かんっっっったんにやめられる。
赤子の手をひねるように、意識すらすることなくやめることができます。
始めるでも、やめるでもない。
一番難しいのは、続けることでしょう。

【引用】何かを始めるのは勢いがあればできます。終わるのも簡単。ただ、続けていくことだけが難しいのです。もし、自分には向いてないと思いつつ月日が経っていくとしたら、それは向いているということではないでしょうか。
【出典】三笠書房『禅、シンプル生活のすすめ』P91 著:枡野俊明

■ いやいや続けている仕事がある人へ

千石の母親が、このたび退職いたしました。
30年以上、同じ仕事に就き働いてきたわけです。
母は子である千石にすらグチることがありました。
帰ってきた開口一番、
「弥一、私にはこの仕事むいてへん。辞めたい。今すぐにでも辞めたいわ。かわりに働いてか?」
朝のでがけに、
「いややぁ、仕事行きたくない。行きたないわぁ…いってきます…」
そんな毎日です。
それを30年以上続けた。
ガン、肝炎などの大病もしました。
それなのに続けた。
ただただ尊敬する、としかいいようがありません。
家族を養っていかないといけない。
自分が辞めたら周りに迷惑がかかる。
いろいろなしがらみ、責任もあったのかと思いますが、それでも続けられたということは、母に合った仕事だったのだと思います。
イヤイヤでも一番難しい「続ける」ということができたのだから。

■ 続けることでしか得られないものがある

千石の周りには魅力的な人があふれています。
いろいろなことに行動的で、きらきら輝く魅力を発している人もいますが、なんだかジワーっと染み出てくるような魅力を醸し出している人がいます。
熟成ですね。
上質のワインなんです。
芳醇な香りといいますか、あぁ…真似できないな…、と。

【引用】僧侶の修行というのは、早起きをし、庭を掃き清め、お勤めをし……と、毎日同じことのくり返しですが、そのくり返しのなかにこそ「学び」があります。
【出典】三笠書房『禅、シンプル生活のすすめ』P91 著:枡野俊明

その人が、その仕事をくり返してきたからこそ、まとっている魅力というものがあるのですね。
それは一朝一夕にできるものではないでしょう。
千石なんかがどうもがいたところで、どう取りつくろったところで、悲しいかなメッキははがれてしまうのです。
本物の金にはかなわない。
もし、あなたがイヤイヤでも続けていること、仕事があるのなら、続けたことによって得られたものを見つけてみませんか?
自分のことはなかなか見えませんが、探す価値はあると思います。
誰かにとって、それはとてもうらやましいものなのだから。

【引用】最終的には自分の身の丈に合ったことのくり返しが幸福につながっていくものなのです。
【出典】三笠書房『禅、シンプル生活のすすめ』P91 著:枡野俊明

つらくても、それでも一生懸命生き続けている人を心から尊敬しています。
ありがとうございました。


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